[和田圭以 プロフィール]
神奈川県藤沢市出身 藤沢市在住
神奈川県立鎌倉高校卒業
日本大学卒業
都市計画事務所・建築設計事務所勤務を経て
2001年1月1日より
フリーの イラストレーターとして独立

現在はイラストレーション・装幀・
まちづくりパース・グラフィックデザイン
等の制作を請け負うとともに
年に数回主に湘南地方のギャラリーにて
個展や二人展を開催 
グループ展にも多数参加

和田圭以さんのポストカード取扱店
アートギャラリーロスピノス&カフェ
(藤沢駅南口)


  













圭以さんの
作品展示の時のプロフィールボード

以前のプロフィールボードより
好きなモノ・コト・ヒトの項目が増えてる
この年齢になって
好きなものが増えてくって
とても素敵なことだなって思う




 




第12話 イラストレーター 和田圭以

 

最近私は『和田圭以最強説』っていうのを唱えている

なんと言ってもその人間性が魅力的で
たくさんの人たちが圭以さんを頼りにして慕っている
私だったら余計な自意識が働いてしまいそうだけど
圭以さん本人は”オゴリタカブル”ことなく感情は常にフラット
実に淡々と...飄々と生きている

そこに私が憧れないわけがなく
圭以さんの人となりを深堀りしたくなったので今回ここに登場願いました
私の熱量がちょっとウザい感じになりますがお許しを

まず
私が今回これを書くにあたって
ものすごーく簡単な質問を
5つくらい箇条書きで
圭以さんにメールで投げかけたんだけど
それに対して

なんと!
←見ての通り
この分量の答えが返ってきた
この几帳面さと真面目さには
本当に頭がさがる
何故イラストレーターになったのかの一行の質問に対してA4サイズの紙2枚に
幼少の頃どういう子で学生の頃社会人の頃どういったことがあってと
びっしり書いてくれた リズム感のあるユーモアたっぷりな文章に
圭以さんの”人を楽しませたい”って思うサービス精神を感じる

圭以さんとの出会いは2005年だったかな
私がふたり展をしてるギャラリー(茅ヶ崎ギャラリー街路樹)に
たまたま用があって来てた
なんだか控えめなのに存在感がある
不思議な魅力を感じる人だなーって思ったのが最初の印象だった

話していくうちに同じ高校出身ということがわかり
さらに同じ中学出身でもあることがわかって
初めて会ったとは思えないくらい
その場にいた私の友人やお客様も交えて長い時間話をして
最後までつきあってくれて一緒に電車に乗って帰ったことを覚えている

その後圭以さんに藤沢のアートギャラリーロスピノスでのグループ展に
誘ってもらい一緒に展示する仲になった
今度は私がうめ庵での展示にお誘いして2009年より1年おきに
うめ展に参加してもらっている

人とつるんだりすることが苦手ってとことか
周りがみんなスマホになってても頑なに?ガラケー使ってたりとか
(今現在は私たちスマホになりました)
そゆところに私は勝手にシンパシー抱いてたんだけど
一緒に過ごす時間が増えていくにつれ
私が自分と似てるかもって思ってたことはまるで違ってた
だいたいにして人とつるむことが苦手なのに
人に好かれていていつも大勢の人が圭以さんを頼ってるわけだから
私と似てるわけがないんだけど

先にも書いたとおり
何故イラストレーターになったのかの私の質問に
細かく半生を綴ってくれたわけだけど
私はイラストレーターになった経緯よりも
圭以さんの人との関わり方に興味を持った

そう うめ庵での展示中のこと
気難しそうな年配のお客様がいらして
私はちょっと苦手だーって思って遠巻きに見ていたのだけど
圭以さんは臆することなく談笑しているし
ある時は歴史好きな中学生の男の子相手に
「私はあまり歴史は得意じゃないんですよね」と言いながらも
小1時間その男の子と歴史の話をしてることもあった
圭以さんは自分からがんがん話していくタイプではないけれど
老若男女問わず一様に人の話にのっかれる
何度もそういう光景を見てきて気づいたのは
その”人との距離感”の取り方が絶妙であるってこと
今回話を聞く中でそれが紐解かれた


「幼稚園の頃は男の子とばかり遊んでいたんです 別に男勝りというわけではなく
男の子たちの中で流行ってたウルトラマンごっこのアンナ隊員役
(途中でとっ捕まってヒーローに助け出される役)ばかりしていました
それが出来る女の子が近所にいなかったから体よく引っ張り出されただけだと思います」
「でもお人形さん遊びやいわゆる女の子っぽい遊びは好きではなく
電車見に行く方が楽しかったから男の子と気が合ったのかも」

男の子とばかり遊ぶ圭以さんを全く想像は出来ないけれど
この電車好きは後に高校時代「鉄道研究会」大学時代「鉄道ダイヤ研究会」
と一貫していて
それは鉄道風景を貼り絵作品にするというところに繋がっている


「好きなものにはとことん集中して取り組むけど
コツコツやらなければならないものは全然ダメ」
「母はピアノ教室を開いているのだけど さぼるとすぐに見つかるし
コツコツ練習曲を弾いていくというのは苦手で1年でやめてしまった
父方の叔父が絵画教室を開いていてそれは楽しくてずっと続けていた」
「でも音楽が嫌いなわけではなく親の影響で子どもの頃からジャズを好んで聴いていた
中学高校時代は周りの女子たちが男性アイドル歌手にキャーキャー言ってる中
ひとりシナトラが好きと言ってた さすがにそれに同調してくれる友達はいなかったですね」

だろうね...世代がちょっと違うから当時シナトラが
どういう位置づけされてたかわからないけど異質な存在だっただろうと思う
思春期真っ只中の女子たちの中では
いかに周りと同調するかに全てがかかってるような感じあって
私なんぞはどうにかこうにか浮かないように
ミーハー路線にしっかりのっかってこうと心血を注いでたわけで...
ここからして既に私とは全然違うわけだけど
ここに圭以さんらしさがある
自分が興味なくてもそれなりに話に入れるだけの知識は持っているし
迎合もしないし媚びないけどバカにもしないし我が強いとかでもない

「大学で地域活性化の授業がありそれが面白かったところへ
タイミングよく都市計画事務所のバイトの話がありそこでバイトすることになった
卒業後もしばらくその会社でバイトを続けていたところ
お絵描き教室に通ってたから描けるよねと室長の一声で都市計画書の
まちづくりイラストを描くことになった
透視図法もあまりわかってないわけで
自分ではひどい出来だと意気消沈していたのに室長は喜んで今後も頼むと言い
おそれをなして建築パースを習いに専門学校へ行くことを決めた
以後15年間都市計画や建築設計の仕事と並行して建築パースを描きまくる
時はバブル真っ只中
会社に寝袋を持ち込んで何日も会社に泊まって仕事をすることもあった」

プロフィールにもあるように圭以さんは美大出身でもなく美術系の学部出身でもない
子どもの頃から絵を描くことを仕事にしたいなんてことを思ったこともなかったと

「バブルがはじた影響で仕事がなくなるも
会社から給料をもらうことに申し訳なくなっていた頃
なんとなく会社の雑誌にのってる建築家の顔を模写してみた
...全然そっくりに描けない
そのことに衝撃を受けて絵の勉強でもしてみようかと
仕事を続けながらデザインスクールの夜間学校でイラストとデッサンを習いに通う
以後5年間仕事をしながら毎晩人物模写を描き続けていた
後にも先にもこんなにまじめに描く練習をしたのはこの時だけ」
「建築パースの仕事で独立するも半年過ぎた頃に
ボチボチ描き始めたコミックっぽい絵で仕事の依頼が来るようになった
デザインスクールの先生が個展を開いているのを観に行ったことがきっかけで
そのギャラリーで展示しないかと誘われ作家活動も開始することになり今に至る」

これを読んで私は実にしなやかだ!って感激した
圭以さんは子どもの頃からずっとしなやかだ

こういう言い方はひじょーに失礼な感じもするけれど
きっかけ全てに能動的な部分を一切感じない
たまたま偶然とか人から頼まれてとかから始まることが多い

だけど何でもやってみようという好奇心と
そこに向かう努力と行動力には人一倍長けている

抱えきれない程の仕事量をこなしている
なのにさらに誘われたグループ展や依頼の仕事を引き受ける
断ってるところをこれまで見たことがない
「寝なくても平気なんです 体力あるんですよ」って言う
かっちょいいなー
本当に寝ないし よく動く そして精神も強い
だからってどうだすごいだろー感は全くない
ね、最強でしょ

興味のあること以外は全然ダメと言ってたけれど
「何でも引き受けるのはやってみたら面白いかもって思うので」
って言うんだから
それはもう全く0の段階から
知ってく過程をも楽しんでいるわけで
興味のないものがそもそも存在しないんじゃないかな
だから人は圭以さんを信頼するし仕事も頼みたくなるんだなって納得した

真似出来ないけど見習うべき点は多い
近づき過ぎないけど遠ざけない
それがこちら側にとっても心地よい

それにしても会うたんびに違う圭以さんの一面を知ることになる
まだまだ開けてない引き出しがありそう
近いうちまた えんがわで話そ
                            2022.3 丸山晶子

...ってここで終わったらいけないことに気づいた

      これまた仕事場の写真を送って欲しいって軽く頼んだだけなのに
   道具の置き場の図までも細かく書いて送ってくれたのです
せっかくなので圭以さんのアトリエの紹介しましょ

 

貼り絵作品の制作風景↓


道具の収納から何からとにかくきれいに整理整頓されている

 

 

これ買ってきた色見本帳ではなく
全て自ら切って貼って作ったもの

何百種類もある紙の
種類別 色別で表を作り↑

さらに
←実際紙を選ぶ時に画面上で
組み合わせてみるための
色見本帳

これを作るだけでもどれだけ時間が
かかったんだろう
こういう作業に妥協がない
そりゃあ寝る時間なくなるよね


そして この一日一絵
今はちょっとお休み中だけれど
毎日1枚描くっていうことをしていた圭以さん
子どもの頃から空想癖があってキャラクター作りが好きだったことから
1枚の絵の中に登場する動物や人物にはそれぞれのストーリーがある
ちょっとした社会風刺みたいな描写もあってなかなかに見応えがある
まさしく和田圭以ワールド
私はこれの大ファンで出来れば書籍化して欲しい
もしくはSNSに投稿してくれないかな〜ってずっと思ってるんだけど
圭以さんはHPもSNSも一切持たないし
そもそも仕事として描いてるわけではないし
人に見せようと思って描いてるわけでもないんだよね
そこがまた魅力的
 
 
copyright©2022 Atelier Ume-an / Akiko Maruyama All Rights Reserved.